古墳写真家お薦め 個性豊か九州の古墳ベスト5 西都原古墳群

古墳は全国に16万基あると言われますが、福岡市の古墳写真家は各地を巡り、その個性豊かな表情を撮影していて、その作品はインスタグラムで公開されています。古墳写真家がお薦めする九州の古墳ベスト5を、写真とともに紹介します。

【第1位・日岡古墳】日岡古墳の玄室内部。どこを見ても文様があります。

日岡古墳は、福岡県うきは市吉井町に所在する前方後円墳です。国の史跡に指定され、横穴式石室がある前方後円墳の装飾古墳です。部屋の壁ほぼ全面に赤・白・緑・青色でさまざまな文様が描かれていて、石室の床にある大きな石は天井の石が落ち込んだもので、現在上から覗きこむ形で石室を見学することができます。築 : 古墳時代後期(6世紀前半)。

【第2位・西都原古墳群】コスモスに囲まれた西都原古墳群の一つ「鬼の窟(いわや)古墳」。朝日がまぶしい

国の特別史跡西都原古墳群は、宮崎県のほぼ中央、一ツ瀬川の右岸、西都市街地の西の通称「西都原台地」とその周辺の中間台地や沖積地にあり、その範囲は南北4.2km・東西2.6kmに及んでいます。指定面積は58haを超えます。西都原古墳群は、3世紀末から7世紀にかけて築造され、その数は、陵墓参考地の男狭穂塚・女狭穂塚を加えた319基です(内訳は、前方後円墳31基、方墳2基、円墳286基)。古墳の分布と築造年代等により10~13の小群に分けられます。また、古墳群には、墳丘をもつ古墳に加えて、南九州に特有の地下式横穴墓や全国に広く分布する横穴墓が混在します。

【第3位・井寺古墳】井寺古墳の線刻。3、4時間かけて石室内を撮影したという

井寺古墳(いでらこふん/いてらこふん)は、熊本県上益城郡(かみましきぐん)嘉島町井寺にある古墳。形状は円墳または前方後円墳。国の史跡に指定されています。石室に装飾が施された装飾古墳の1つとして知られます。築造時期は古墳時代中期-後期の5世紀後半から6世紀初頭頃と推定されます。

【第4位・横瀬古墳】夕暮れ時の横瀬古墳。水田に「逆さ古墳」が写る

横瀬古墳(よこせこふん)は、鹿児島県曽於郡(そおぐん)大崎町横瀬にある古墳。形状は前方後円墳。国の史跡に指定されています。鹿児島県では第2位の規模の古墳で、5世紀中葉-後半(古墳時代中期)頃の築造と推定されています。

【第5位・童男山22号墳】童男山22号墳。石室の入り口はクスノキに押しつぶされそう

童男山古墳(どうなんざんこふん)は福岡県八女市山内にある直径約48メートルの大型円墳です。昭和31年に県の指定を受けました。主体部は複室の横穴式石室です。玄室には凝灰岩製の巨大な石屋形があり、中にはくり抜きの石棺が納められています。6世紀後半〜末頃のものと思われます。とりわけ22号墳は神秘的な空気を漂わせます。