米国で焼酎のカクテル競技会

宮崎、鹿児島両県が昨年、本格焼酎PR 宮崎・鹿児島、海外向け動画共同制作をしましたが、米国での販路拡大を協議する中で、熊本、大分両県も協調。アメリカ人にも親しみやすそうなカクテルに目を付けました。

そこで米国で焼酎の認知度を上げようと、全米のバーテンダーを対象にした焼酎カクテルの競技会 Shochu Cocktail Competition 2022が3月7日、ニューヨークで開かれました。鹿児島、宮崎、大分、熊本の各県の焼酎を使い、書類選考を勝ち抜いた7人のバーテンダーが腕を競いました。

ニューヨークのエイダン・ボウイーさんによる芋焼酎を使ったカクテルが1位に選ばれました。櫻の郷酒造(宮崎県日南市)の芋焼酎「赤魔王」をベースに、シェリー酒やすし酢、ココナツジュースなどを組み合わせた独創的なカクテル「Red Clay Bamboo」で、焼酎の香りを最も生かしていると評価されました。

ボウイーさんは「焼酎は原料や製造方法が多く、香りも多様で、いろいろな種類のカクテルに使える」と魅力を語りました。また、ボウイさんは来年、九州へ招かれ、4県の酒蔵を巡ります。「カクテルベースになる焼酎の幅の広さが分かった。日本で焼酎文化を体験するのが楽しみ」とコメントしました。

2位はミズーリの女性、キラ・ウェブスターさんが千代の園酒造(熊本県山鹿市)の米焼酎「八千代座」にピスタチオ酒やベルモットなどを加えた「Fit for Himiko」。

3位にニューヨークの男性、カイル・デイビスさんが日南市にある古澤醸造の35度米焼酎「Motokoモトコ」を使い小豆シロップやカレー粉を加えたカクテルの「おにばば」が選ばれました。

大分の「iichiko彩天」や鹿児島の「さつま白波」を使ったカクテルも披露されました。

競技会は鹿児島、宮崎、大分、熊本の各県と酒造組合が主催。全米から116の応募がありました。審査員を務めた著名バーテンダーのジュリア・モモセさんは「焼酎は新しいものを試そうという人に注目されている」と話しました。

米国では食事と一緒に蒸留酒を飲む習慣がないこともあり、日本からの輸出量も少なかったのですが、近年、ジンやテキーラのようにバーで楽しんでもらおうと、米国向けに開発したアルコール度数の高い商品を日本から官民で売り込み、徐々に人気が高まっています。

ちなみに財務省貿易統計の「最近の日本産酒類の輸出動向について」によると焼酎の輸出金額は2020年の1,201百万円に対し、2021年は対前年比45.4%増の1,746百万円と増えており、うち米国向けは、中国に次いで多く、446百万円(対前年比57.2%増)となっています。