かつお一本釣り、干し大根とやぐら 宮崎県初 日本農業遺産認定

「我が国において将来に受け継がれるべき伝統的な農林水産業を営む地域を農林水産大臣が認定する制度」である「日本農業遺産」に、日南市の「かつお一本釣り漁業」と宮崎市田野・清武地域の「干し大根と大根やぐら」の2件が2月19日に認定されました。

日南市はかつお一本釣りの漁獲量が1994年から26年連続日本一を誇ります。一匹ずつ釣り上げる「長続きさせられる漁」として、また、水産資源保全につながる伝統漁法を地元漁師が約300年間守り続けています。

2017年に認定推進協議会を発足し、現在のFRP船(ガラス繊維強化プラスチックのFRPで造られらた船)の前はかつお船が飫肥杉で作られていたことや、今も地元で造船するかつお船の型枠に飫肥杉が使われ、山が守られれば豊かな森を育む水が川から海に注がれ、かつお漁も支えるという自然の循環にもなっていて、漁業と林業を合わせたシステムが認められました。

田野・清武地域は「宮崎の太陽と風が育む『干し野菜』と露地畑作の高度利用システム」で、たい肥を利用した土作りを行いながら約100年前から大根を干し野菜として販売して地域の収益の安定につなげ、大根を干すやぐらの景観も観光資源などに生かした地域全体の取組みが評価されました。

また、この地域は畜産も盛んで、畜産農家から発生するたい肥で、大根の作付けに必要な土作りが行われ、その土で作られた大根を干し、漬物として使われる部分でない大根の葉が、今度は牛の飼料に供給される循環型地域農業が確立されています。

以上