農林水産省は2月15日、1999年に認定した「日本の棚田百選」(134カ所)を改定し、「つなぐ棚田遺産」として新たに271カ所を選定しました。20年以上前に決まった百選の棚田には、担い手不足などから荒廃している箇所も少なくなく、改めて次代に残したい棚田を選びました。「新百選」のうち前回に続いての選出は、約35%の94カ所にとどまりましたが、宮崎県は13地域が選ばれました。都道府県別では宮崎は全国4位でした。
棚田とは、山の斜面などに階段状に作られた水田のことで、平地より維持・管理が大変な一方、昼夜の温度差が大きくて稲がゆっくり熟すため、上質米ができるとされます。山からの水を蓄えて洪水を防ぐ役割や、「日本の原風景」と呼ばれる景観の美しさなど、多面的な機能も持ちます。国は2019年に棚田地域振興法を施行し、棚田周辺の地域振興を後押ししています。
選定された棚田は、3月25日に農林水産大臣の認定を受ける予定です。
選ばれた13地域は以下の通りです。
日南市 坂元棚田(さかもと)
西米良村 向江棚田(むかえ)
西米良村 春之平棚田(はるのひら)
椎葉村 椎葉のマチュピチュ「下松尾仙人の棚田」(したまつおせんにん)
高千穂町 尾戸の口棚田(おどのくち)
高千穂町 東岸寺扇の峰棚田(とうがんじおおぎのみね)
高千穂町 徳別当の棚田(とくべっとう)
高千穂町 川登棚田群(栃又の棚田)(かわのぼり、とちまた)
日之影町 深角棚田 (ふかすみ )
日之影町 石垣の村「戸川」(いしがきのむらとがわ)
五ケ瀬町 日蔭棚田(ひぞえ)
五ケ瀬町 下の原棚田(しものはら)
五ケ瀬町 鳥の巣棚田(とりのす)