S市が出てくる平野啓一郎さんの小説「ある男」11月18日全国ロードショー

芥川賞作家・平野啓一郎さんの人気小説『ある男』(文藝春秋発行)が実写映画化。2022年11月18日(金)に全国公開されます。原作小説の『ある男』は、第70回読売文学賞を受賞し、累計23万部の平野さんのベストセラー作品。既に実写映画化されている『マチネの終わりに』に続く作品として、2018年に発表されました。

あらすじ
弁護士の城戸章良(妻夫木聡)は、かつての依頼者である谷口里枝(安藤サクラ)から亡き夫・大祐(窪田正孝)の身元調査を依頼される。離婚歴のある彼女は子供と共に戻った故郷で大祐と出会い、彼と再婚して幸せな家庭を築いていたが、大祐が不慮の事故で急死。その法要で、疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)が遺影を見て大祐ではないと告げたことで、夫が全くの別人であることが判明したのだった。章良は大祐と称していた男の素性を追う中、他人として生きた男への複雑な思いを募らせていく。

この物語には、架空の町「S市」が出てきます。
このS市。以前、平野さんが宮崎県内を取材された際、特に西都市からインスピレーションを得て生まれた町とのことで、離婚して都会から郷里の宮崎県に息子を連れて戻った里枝の実家がS市にある文具店という設定になっており、物語には西都市を彷彿とさせる場面が登場します。例えば、

・宮崎県の丁度真ん中あたりに位置するS市

・人口三万人程度のこの小さな田舎町

・地図を見ると、米良(めら)街道という、九州山地を超えて熊本にまで至る旧(ふる)い道が市の中心部を貫いている

・南東の宮崎市までは、車で四十分ほど

・古代史の好きな人は、S市と聞くと、市内の巨大古墳群がすぐに思い浮かぶらしい

・プロ野球好きは某球団の春季キャンプ地

・ダム好きは九州最大規模のダムによって知っている

また、「スケッチブックの最初のページから始まるのは、宮崎市の青島一帯の風景のようだった。「鬼の洗濯板」と呼ばれる細波(さざなみ)のような起伏の磯や青島神社の鳥居、それに、頭上に広がる青空を宛(さなが)らに映したような海原と彼方の海外線が描かれている。」という場面もあります。

映画ロケ地撮影場所の目撃情報によると、宮崎県立宮崎病院や清武町の 清武メモリードホールなどがあがっていますが、宮崎県が出てくるのは間違いないと思われますので、是非ご鑑賞ください。

映画『ある男』本予告篇